CurlCraftとは何か|2003年開発の独自アイロンパーマ技術
静岡県榛原郡吉田町で理容師を続けて27年。

当店の施術の核には、CurlCraft(カールクラフト)という独自のアイロンパーマ技術があります。
2003年に体系化を始めてから、20年以上にわたって積み重ねてきた技術です。
お客様から「カールクラフトって何?」と聞かれることが増えてきました。
寝癖が直らない、トップがペチャンコになる、手ぐしで後ろへ流したい。
そうした毛流れの悩みを抱えた方が、初めて名前を耳にする場面も多い。
今回は、開発のきっかけと技術的な特徴をお伝えします。
Q1. CurlCraftとは、どんな技術ですか?
A. アイロンの回転を増やすことで、熱による髪への負担を抑えながら効率よくカールを形成する、当店独自のアイロンパーマ技術です。
2003年から、先代の技術と私自身の工夫を積み重ねて体系化しました。
名称の「CurlCraft(カールクラフト)」は
Curl(カール)と Craft(工芸)を組み合わせた造語です。
業界では「濡れパン」「緩パン」などと俗称されることもありますが
当店では狙ったカールを正確に創り出す職人技という意味で名付けています。
名前が変わると、技術への向き合い方も変わると感じています。
一般的なアイロンパーマの技術書や講習では教わらない、当店だけの巻き方です。
施術は店主のみが担当し、完全予約制でお一人おひとりに時間をかけています。
Q2. 開発のきっかけは何だったのですか?
A. 先代の自己流の技術を、体系立てて理解し直したいと思ったことがきっかけです。
アイロンパーマの技術を習得するうえで
先代から受け継いだ自己流のやり方も大切にしていました。
1967年の創業以来、先代が編み出した根元折り(髪の根元をピンポイントで折る技術)は
今もCurlCraftの核のひとつです。
ただ、それだけでは技術として人に説明したり
再現性を持たせたりすることが難しいという思いもありました。
そんなとき、器具商の方からある講師を紹介していただきました。
大阪在住のコウノさんという方で、
理容競技大会のチャンピオンを指導した実績もある
アイロン技術を体系的に理論づけて多くの技術者に教えている方でした。
1日だけの短期集中講座でしたが
アイロン操作とカール形成の基礎を学びました。
そこで得た理論を軸に、先代から受け継いだ技術と
私自身の工夫を重ねていったことが、CurlCraftの始まりです。
Q3. 一般的なアイロンパーマと、技術的にどこが違うのですか?
A. アイロンの回転を、通常の180度ではなく270度までにすることが、最大の特徴です。
カール形成の場面で、一般的なアイロン操作との違いがあります。
| 操作 | 回転の目安 | 特徴 |
| 通常のアイロン操作 | 180度 | 一般的なカール形成 |
| CurlCraft |270度| 少ない熱入れで効率よくカールを形成 |
回転を増やすことで、同じカールを作るために必要な熱入れの回数を減らせます。
熱は、髪にとって負担になるものです。
できる限り髪を傷めずに、しっかりとしたカールを残す。
そのための工夫が、回転の違いに表れています。
あわせて、当店独自の根元折りがあります。
先代が考案したこの技法は
別注の幅3mmアイロンで地肌ギリギリをピンポイントで施術し
撫でつけるとピシッと寝る毛流れを作ります。
直角ではなく鋭角に折り曲げることで
乾かすだけで自然に毛流れが決まる状態を目指しています。
Q4. なぜ、その巻き方が髪に優しいのですか?
A. ロッドパーマのカール形成理論を応用し、熱・薬液・操作の三つを組み合わせて設計しているためです。
CurlCraftは、ロッドパーマのカール形成理論をアイロンパーマに応用しています。
施術の設計は、次の三つの柱で考えています。
◎薬液 ? 髪質・白髪・細毛に応じた選定と濃度調整
◎熱 ? 高温アイロンを「操る」。入れすぎは毛先のザラつきの原因になる
◎操作 ? 270度のクラフトワーク、根元折り、指先の感覚と手首の捻り
さらに、次の二つの巻き方の利点を組み合わせています。
◎元巻きアイロンの巻き方
◎先巻きアイロンの、毛先にテンションをかけやすいという利点
それぞれの技法の良いところを一つの技術にまとめたことで
熱の入れ方を抑えながら
毛先までしっかりとカールを効かせられる巻き方になりました。
Q5. この巻き方をしている理容師は、ほかにもいるのですか?
A. 少なくとも、私自身は見たことがありません。
SNSで他の理容師の方々の施術動画を見る機会も多くありますが
270度まで回転させてカールを形成する
この巻き方に出会ったことは今のところありません。
先代直伝の別注アイロンを使った根元折りについても同様です。
同じような考え方に至っている技術者の方が
どこかにいらっしゃる可能性はあると思います。
それでも、2003年から私自身が積み重ねてきたという意味では
当店独自の技術だと考えています。
Q6. CurlCraftは、どんなお客様に向いている技術ですか?
A. 熱による髪へのダメージが気になる方や、長く持続するカールを求めている方に向いています。
少ない熱入れで効率よくカールを形成できることは
髪への負担を抑えたい方にとって、大きな利点です。
当店でよくお声を聞く悩みは、次のようなものです。
◎つむじが立つ、寝癖がつきやすい
◎トップがペチャンコになる、横に張り出す
◎ 手ぐしで後ろへ流したい、前髪をかき上げたい
◎細い髪・白髪でも、ボリュームや毛流れを整えたい
施術の目安は約2時間(カットを含む場合)。
周期は1.5~2ヶ月ごとが目安ですが
お一人おひとりの髪質と生活スタイルに合わせて
来店のたびに調整しています。
「最新が最高」。
前回のスタイリングのしやすさを確認しながら
一緒に「いつもの」を育てていく。
それが当店のスタイルです。
完全予約制・紹介制で
お一人おひとりに時間をかけられるからこそ
じっくりとCurlCraftの工程に向き合うことができます。
まとめ
| 項目 | 内容 |
| 名称 | CurlCraft(カールクラフト)2003年から体系化した独自アイロンパーマ技術 |
| きっかけ | 先代の自己流を体系立てて理解し直したいという思い |
| 系譜 | コウノさんから学んだ理論を軸に、先代の技術と工夫を重ねて完成 |
| 最大の特徴 | アイロンの回転を270度まで使うクラフトワーク |
| 独自技法 | 根元折り(別注3mmアイロン)、鋭角折り、元巻き・先巻きの組み合わせ |
| 設計の柱 | 薬液 × 熱 × 操作 |
| 向いている方 | 髪へのダメージが気になる方、毛流れの悩みを長く楽にしたい方 |
20年以上、高名な方の技術基礎と
先代の言葉になりにくいノウハウ
習得した巻き方を、一人で磨き続けてきました。
一度で完成させるのではなく、来店のたびにお客様と対話しながら調整する。
そういう関係性の中でCurlCraftは育っていきます。
これからも、この技術に向き合い続けたいと思っています。
CurlCraftについてのご質問も、お気軽にお尋ねください。
静岡県吉田町で、毛流れの悩みと向き合い続ける理容店。
理容白石 店主 白石俊之が執筆しました。
noteでも少し違う角度で書きました。(有料記事)















